2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の雲

擦れて掠れた僕の心は 曇りきった空なんかよりも 呆然としている。 眼に映る景色は以前よりも はっきりとしていて その景色を僕が色付けできたら 音楽と呼んでも良いのだろうか。

薄く香る風

雪解け終わりの土を掘り返して 何度も練った粘土を 混じり気のない精神世界の具現化とします。 そうしますと 次に見えてくるのは 夏の若葉が青く光るトンネルで それを人は夏の楽園なんて呼びますが 暗闇を見間違えたまやかしなのです。

汽車

いつまでも走る汽車のような生活を 繰り返し繰り返し 追い抜かれる石ころたち 思い出した頃には離れた距離も測れない 太陽を経った一周している間に 気づけば夜と僕の関係が変わってしまって 失ったものも何なのか 土を掘り返しても掘り返しても 埋まってし…

拙い言葉

気づけば染み付いた空気が 僕を面白くなくするんだ。 だから何度でも離れて 僕は僕になりたい。 モラトリアムへの再帰は 失い続けたアイデンティティへの渇望と 普通への探求だ。

No title(呟きと嘆き)

潮目

潮の境目をなぞるように 出来上がってしまった流れに沿って 海に飛んでいった漂流物に一度なりたい。 そして辿り着く岸辺やら異国やらで 何も知らないまま野良猫に変わって 街裏や人影を縫うように その街を傍観していたいな。 そこには何があるんだろうか。

淀んだ海

また一本の糸を不思議と絡ませて 出来上がった解けない糸玉を 僕は社会に見立てて ゴミ袋に入れてやるのです。 そして眼前に広がる夕陽の先に 僕が待ち望む新しい世界が あるような気がします。 新しい世界までどれくらい歩けば 辿り着けるかは 僕の沈んでく…

雨漏り

知ってしまったことと 知っていることを 一つの器に入れてしまえば 遠くでこちらをみている月も 雲で見えなくなっていた間のことなんて 知る由もないだろう。 僕の決意は変わらず 一度目の幕切れをどうか最後まで 月には見守っていて欲しいのです。

4/14 スタジオ   4/15 知らない時間

反響し合うばらばらの音も 一つの部屋なら少しずつ形が出来上がって 音楽が出来上がる。 そんなリアルで緊張感のある空間は ジェンガを高く積み上げるみたいで ただ高く飛べる鳥になるより面白い。 絶対ギター上手くなる。 忘れていたあの人も この前まで知…

No title(呟きと嘆き)

春の疲れは期待の裏切りと共に 前の季節の忘れ物を思い出させるように 重くのしかかる。

もう見れない

さよなら いつもの 夕焼け 見てるの 明日も そうでしょ 揺れてる陽炎 消えてく 夜の街 一人歩いてる

No title(呟きと嘆き)

疲れて眠りに落ちた夜を 月にまた見られている。

上向き加減

乗り越えなければならない ポップな山を一つ 見つけ出した気がします。 そこに咲いている花は みんなの好きな花じゃなくて 少し地味でも暗くない花でしょう。 山頂に辿り着きたい。

無記名

夏の蜂のような羽の音で 街中を駆け巡る割に 果たす役割は働き蜂以下だろうことは 薄々見え透いています。 誰に期待されるわけでもないのに 渡される花束の数と吸える蜜の数から 大きく膨らむ懐を想像しているなら さっさと駆除されてしまえばいいんだ。

No title(呟きと嘆き)

疲れに負けた後の外では雨が止んで 好き勝手気ままに人は通り過ぎる。

折れない

1年前に植樹した木の苗は少し大きくなって 少しの風では簡単に折れそうも無くなったのです。 たまに強風が吹くと右に左に揺れてしまいますが それでも最後はただまっすぐ 今の結末と向き合って 遠くと近くで視線を 行ったり来たりしているのです。

白紙のような綺麗事を振り翳しておきながら 内心は決して綺麗ではない人間が多いのは 一面の薔薇畑にいるみたいで 水やりもせず勝手にさせてやるのが やはり筋なのでしょう。 それでも雨が降って何とか生き延びるのだから 私は何もしなくて良いのだろうと 思…

No title(呟きと嘆き)

自分の不器用さに辟易して 疲れながら迎える春はずっと埃臭く 堆積し続けて鬱屈の詰まった永久凍土は まだまだ溶けそうにない それでも一度味わってしまった 嬉しさからも辛さからも 逃れることはもうできそうにないな

迷ったなら

地下鉄に迷い込んだ猫が一匹 そのまま電車に乗って 思いもよらぬスピードで 街を移動する 何も気づかずに 降りた街を 知らない街を 君はどう思うのでしょう あなたの街まで 歩いて戻りたくなるのでしょうか どうかわかるなら 僕にも教えてください

見えない

岸辺で明日を見よう見ようと 目を細めてみても 遠くで海猫の飛んでいるのが見えるだけで 僕のなんて見えたものではありません。 毎日海の中に垂らす釣り糸を手繰り寄せて その間にゆっくり近づいてくる遠くの波が 僕らの日常で明日の正体だ。