2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧
試行錯誤の最中は闘牛みたく 前しか見えていないのですが 落とし穴にも気をつけなければ また井の中の蛙になって 空を見上げるので精一杯になってしまうのです。 満たされないとわかっている背中に 頭を冷やす風が差して 上着のファスナーを締めたのでした。
視界に広がっていた両脇の壁が 急かすように徐々に狭まって 否が応でも前に進めてくれるのは ただの追い風と違って 疲れ切った体で浴びる西日に近いのです。 日陰で少し休んで月が真上に来る頃に 気づかれないまま遠くに行けたなら などというのは軽い気持ち…
埋まらない隙間を何で埋めようとするか そこに普通というのがやってきて 模範解答を渡して歩いているんだ。 何故だか僕には渡してくれません。 受け取ることすらできません。 それが一枚の白紙だってことを知っていると もう一枚も与えてくれないのです。
ルーティンを失ってはいけない カラスだって鳴き方を忘れれば 飛ぶことすらできなくなるだろう ルーティンを極めることが人生だと 誰かが後ろから言うなら それは違う気がしてしまうから 誰も見つけてないものを 見つけたくなるじゃないか
本番は一度だけ 本番は一度だけ 本番は一度だけ それを常に意識する 弾けるのは僕らだけだ
オレンジジュースがコップ一杯に注がれる このありがたさをどう表現するか 川の水がきれいになったり 風で揺れる木々を遠くから見つけたり ただ真っ直ぐ見ていれば 失うものもないのでしょうか 気づいてないだけなのか そんなことすら放っている
覚えている想像も覚えている残像も 身体は忘れてしまう そんな当たり前のことを 親鳥のことを忘れて 新たに子を産む親鳥が思うように 知ってしまう時が来たのです。 それでも記憶にあるなら 確かに戻りそうな気がするから また飛べそうな気がしてしまうね。
何のつもりもなく風に流されてみる 何も得るものもなければ 失うものしかないと思いつつ ただ、こうも僕は普通からかけ離れているのだと また実感するだけだったので 下を向いて読んだ『壁』の数頁に 感心するのでした。
年々狭くなっていく視界で 灯台の灯りを捉え続けていくのは 猫の気まぐれに邪魔されたりするけれど それを掻い潜って見えた時の感動は 定期的に覚えておきたいのです。 感動するのはそれしかなく 映し出す影もそこにある気がするんだ。
顔に付いた砂埃はそのまま 取る頃にはもう乾き切っている 取り切った後には 知らないことばかりが 横風靡かせて何か言い散らかしているんだ それが良いと思っているなら それは真っ向から否定したい
僕の思う人間らしさを追求していくと 待ち構えていたのは苦悩だったのです。 それが終わりになるか 新たな始まりになるか それを決めるのも苦悩の気紛れだ。 春の砂風みたいに理解は及ばないけど 公式があるなら理解しようと思うよ。
5千年前の空気に到達するほど 掘っても掘っても探したりず 彷徨っても彷徨っても 行きたい場所に辿り着けない 小さい箱にいるから、と 朝の鴉がそう零していたけど それすら現実的に思えなくて 聞く耳塞いでいるから 踊ることすら忘れているんだよ
天井のついた壁にボール当てをする少年の 夕方はきっと宇宙にいる 背伸びをしても見える範囲は変わらない 背伸びの自覚がなくなった頃から つまらない天井に手を伸ばして だんだん弱まる脚力で 背伸びやジャンプして 無理に錯覚を作ってしまうのだろう 無邪…
摘み取った花をただ生けて 枯れるのを見届けるなんて真平御免だ 今摘み取ってる花の蕾が開く前に もう一度土に埋めてやりたい どうせ埋めるなら数年先を 見通せるかどうか 土を選ぶところから 開花した花が枯れるまで 今一度向き合ってみようじゃないか
透明な水に色の着いた水を入れて 一気に広がっていく そのスピードが速く 何倍も高いところから岩を背負われるように 足取りは重くなる どうにかしたいのが 春の蕾です。
しぼんでしまった支柱が あまりに横に揺れて 頼りがいなんて言葉もありません。 削がれた破片が飛び散ったのだから かき集めても修復できないけれど、 まだ音楽を好きになった理由は かろうじて思い出せるだろう?
逸れかけた行き先を何とか元に戻して だんだんその道しか見えなくなってきたのです。 同時に通る道を狭く細いものにしていながら 見たいものはもう地球の外から出ないと 見られない気がしているのも確かなんだ。 ないものねだりかな。
何もないわけでもないのに 何も言葉にできない フルーツジュースに果物の芯だけが 溜まってるみたいだ。
毎日変わらない身支度をしているあなたと 鏡一枚を隔てたその裏で 私はずっと生きているような そんな感じです、実は。 鏡に反射してるのを必死に見ようと 前のめりになったり体を捻ってみても 僕の方から見えない理由がなぜだか 君にわかってもらうために …
寝ている間に見る夢が暗示するものは 影響を享受したことの表れか 軽く柔らかいただの理想か それに惑わされて手が止まるうちは きっと海を眺めた時も 夜が来るのも気づかないのだろう
空カプセルに詰め込んだ砂が 隙間から落ちていく カプセルが空になってしまったら 落ちた砂をかき集めて またカプセルに戻していくんだ 掬えなくなったら それは寿命なのだろう
息継ぎのわずかな間で視界に入る距離は 季節の移ろいのせいか 僅かに伸びてきている気がしたのでした。 見えているものが蜃気楼みたく 消えていかないように また先々まで見続けられるように 捏ねて捏ねてゆっくり伸ばしていきたい。
夕焼けはさっと消えて 遠い一歩目に漸く足を掛けられた 一夜過ぎれば次の夜に向けて 旅支度はまだまだ終わらない 転々とその日を終えては また次に備える そうして完成が近づくんだ 僕が好きなものや信じてきたもの それと重なる部分を探していたからそうい…
小さな手応えを積み重ねたい。 喉から手を伸ばすのはまだまだ諦めないけど、 知った気になってる現実が近くにいることも 知った気になってるんだ。
本は旅だ どこにでも行ける 電車に乗ってユーロスターの車窓から景色を見て 北欧から南に下れるんだ 本はフード街だ 選んだ一冊を開けばイタリアンもフレンチも タイやベトナム料理も食べられる そう思っていても それを確かめたくてうずうずしながら 少しの…
良いことも悪いことも 全部頭の中の出来事だ。 外界を閉ざして俯瞰する世界は 枯れてしまった一面の花畑で 一輪の花だけが季節に咲いている。 求める水は通過する雲だけが 気まぐれで落としていくんだ。
閉め切ったつもりの蛇口は開いたまま 時間になる頃にはもう空っぽだったのです。 それでも前なら微かに残ったものを 揺らして何とか捻っていたのに そうすることもできなくて 完全に自分に負けてしまったんだ。 仰向けになって目に入った空が明るくなる前には…
這いつくばって 這いつくばって 追いかけ続けているのは生活だ。 その中間に音楽が確かにあって 僕は辛うじて生きている気がするのです。
暖かくなってくると ようよう白く立ち上る煙に 不安な気怠さと溜め込んだ閃きを うまく混ぜ込んで 思いっきり何度も吐き出したくなるんだ。 恋しい真冬の別れも満足にできなかったのに ひたすら耐え難い暑さを もはや待ち焦がれてしまっているよ。
小船に乗り移って 手にした櫂も漕がずに ただ漂流してみるんだ。 行く当てのない旅はまだ続いて 流れ着いたところの樹海を抜けたら やっと道が見える気がするのです。 まだまだ続くんだ。